なぜ精神科医は患者を拘束するのか
昨今、精神科病院での虐待のニュースを目にすることが増えました。NHKでも特集番組が組まれ、以前から話題になっていた身体的拘束や隔離の問題なども話題となりました。他国に比べ長期入院が話題になる精神科病院。昨今ではその入院中に施行された身体的拘束が不適当だったのではないかという裁判も多く起きています。
精神科に入院すると縛られ、隔離され、薬漬けにされるのじゃないか、病院の利益のために退院させてもらえなくなるのではないかという恐怖から受診できない患者さんや安心して患者さんを預けられないご家族もいるかもしれません。
そんな方々のために今回は身体拘束について具体例を挙げ解説をしていきます。
なお、精神科薬漬け問題については過去解説していますので以下の記事もごらんください。
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さて、そもそもなぜ精神科医は患者さんをベッドに縛り付けるような非人道的とも思える行動をとるのでしょうか。入院している患者さんと優しく対話をして通じ合えればそんな行動は必要ないのではないのか、医師の怠慢ではないのか、そう思う方もいるかもしれません。なぜ身体的拘束が必要でいったいどういうものなのか身体拘束について順に見ていきましょう。
そもそも身体的拘束って???
そもそも身体的拘束とはなんなのでしょうか。なんとなくうるさい患者さんに罰として固い紐などでベッドに縛り付けて苦痛を与えているのではないかと考えている人もいるでしょう。世間の言うように医師の気分次第で罰のように行われるものなのでしょうか?
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- どんな時に拘束が施行されるの?
- 誰が判断するの?
- 拘束されるとどうなるの?
- こんな時の拘束、どう考えますか?
- 身体拘束はゼロにならないの?
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