うつ病と不眠の関係って?精神科専門医が解説
不眠はうつ病の症状であると同時に、うつ病のリスクファクターの一つとも考えられています。また、睡眠の悪化や改善はうつ病の治療経過をみる上でも臨床的に有用な指標になるとされ、互いに密接に結びついてるものです。
うつ病の治療を考える上で不眠をはじめとする睡眠障害の治療は避けては通れないものですが、その症状や治療について十分な知識のある方は少なく、自身の症状をどう医師に伝えたらいいか、どのような治療を受けたら良いのかわからなくて困っている人たくさんいます。
そこで今日はうつ病に関わる不眠や治療法の種類などについて話をしていきます。
このレターでは、メンタルヘルスの話に興味がある、自分や大切な人が心の問題で悩んでいる、そんな人たちがわかりやすく正しい知識を得ていってもらえるよう、精神科専門医、公認心理師の藤野がゆるくお届けしていきます。寒くなってきて腰が痛い中ヒーヒー言いながら必死に書いています。是非是非登録して読んでみてください。
不眠の種類ってどんなものがあるの?
不眠と一言で言っても、寝つきが悪いのか途中で起きてしまうのかなど、その症状によって原因や対策は異なってきます。医師に相談する時にも「不眠」という伝え方ではなく、どういった種類の不眠なのかを意識して伝えられるとより的確な治療が受けられる可能性がありますのでここで代表的なものを整理していきます。
(もちろん患者さん側に十分な知識がないのは当たり前なので医師側がきちんと症状を聞き出せるに越したことはありません。ただ、必ずしも常にスムーズに症状が伝わるとは限らないため、患者さん側も知識を持っておくに越したことはありません。)
1.入眠困難:床についてから入眠するまでの時間が延長して寝つきが悪くなるもので、不眠の中では最多とされています。日本人のうつ病と睡眠障害の関連を調査した研究では下記と比べても関連性が強いことが示されています。
2.中途覚醒:一旦入眠した後に、起床時刻までに何度も目が覚めてしまうもの。ただ、加齢に伴い中途覚醒は増加するので、高齢者においてはそれだけで必ずしも病的とは限りません。