〜幸せになりたいと願うあなたへ〜幸せの見つけ方を精神科専門医が解説
「幸せになりたい」
そう願う人はたくさんいます。
SNSでの何気ない一言や夜、布団に入ったときの独り言、友人とのさりげない会話の中で「幸せになりたいなぁ」なんて呟いたことがない人の方が少ないかも知れません。
でもそれと同時にこんなふうに思ったこともないでしょうか?
「幸せにはなりたいけれど、そもそも自分にとっての幸せって何なんだろう?」と。
この問いにすぐ答えられる人は意外と少ないものです。
幸せという言葉は漠然としていて、それが故に我々は日々、誰かの言う「幸せ」を一緒になって追いかけ振り回されているのです。
今日は我々はなぜ幸せになれないのか、どうやったら自分の幸せの輪郭は見えてくるのか、精神科医で公認心理師の資格も持つ藤野が解説していきます。
このレターでは、メンタルヘルスの話に興味がある、自分や大切な人が心の問題で悩んでいる、そんな人たちがわかりやすく正しい知識を得ていってもらえるよう、精神科専門医、公認心理師の藤野がゆるくお届けしていきます。是非是非登録して読んでみてください。
1. 「幸せになりたい」の前に考えてほしいこと
仕事で疲れた体を引きずって電車に乗ってみれば、金持ちになるためのビジネス書、開運し成功するための本、恋愛マッチングアプリ、そんな広告が目に飛び込み
「お金があれば幸せ」「成功すれば幸せ」「結婚すれば幸せ」
なんて価値観を押し込んできます。そんなわかりやすい幸福のイメージの雪崩に気押されるように「幸せになりたいなぁ」と呟いてしまう人もいるでしょう。
でも、それって本当にあなたの心が求めているものでしょうか?
「幸せになりたい」と願うとき、まず必要なのは、「自分にとっての幸せとは何か」を明確にすることです。
他人にとっての幸せが、あなたにとっての幸せとは限りません。
ブランド物のバッグを映り込ませながらアフタヌーンティーの写真を撮ること自体に幸せを感じる人もいれば、写真なんか撮らなくてもその紅茶を美味しく飲める人もいます。
裕福な生活をしていても孤独を感じる人はいますし、経済的に豊かでなくても家族との時間に満たされている人もいます。
「私はどうなったら幸せだと感じるのだろうか?」
「どんなときに心があたたかくなるのだろうか?」
「これまでの人生で、本当に満たされた瞬間はいつだっただろう?」
まずは、こういった問いを自分自身に投げかけることから幸せ探しの長い長い旅は始まります。