6月から精神科クリニックが減るってほんと?現役の精神科医が解説
「6月から精神科クリニックが減るらしい」
「通っているクリニックが潰れるかもしれない」
そんな噂がX上で駆け巡り、不安になった人もいるかもしれません。
今回の話の背景には診療報酬の改定があります。
診療報酬というのは、保険診療を行なっている病院やクリニックが国から治療に対して受け取る医療費のこと。
患者さんは通常3割を支払うが、残りは保険料や税金で賄われています。
美容医療のような自由診療では価格が自由に決められますが、保険診療はこの診療報酬のルールに則って請求が行われるから、どこに行っても決まったルールに沿った料金で治療を受けることができるわけです。
つまり、医療機関の収入は、このルールにかなり強く左右されます。
そんな中、精神科の領域においてかなり大きなルールの改定があり、6月から施行されることとなったため、精神科医である我々も相当の衝撃を受けました。
実際に院長を退くことを決め、継承先を探している知人などもいます。
患者さんたちは過度に不安になる必要はありませんが、実際に影響が出る人もゼロではないでしょう。
一体何が起きているのか、そしてこれからどんなことが起こってくるのか、現役の精神科医が解説していきます。
このレターでは、メンタルヘルスの話に興味がある、自分や大切な人が心の問題で悩んでいる、そんな人たちがわかりやすく正しい知識を得ていってもらえるよう、精神科専門医、公認心理師の藤野がゆるくお届けしていきます。有料会員になるとなんと80本以上の過去記事も全て読み放題。是非登録して読んでみてください。
通院精神療法
さて、診療報酬の中でも精神科領域に特有で、クリニックの収入の主となっているのが「通院精神療法」という項目です。
精神科医が精神療法的関わりを通して病状の評価や治療を行い、請求されるものです。
精神科は他科より検査が少なく、算定できる項目も少ないので、収入のほとんどがこれと言ってもいいぐらい、大切なものなのです。
今回の改定では、この通院精神療法について、「誰が行うか」によって評価が変わるようになりました。
ざっくり言うと、一定の経験を積んだ精神科医でない場合、報酬が大きく下がるようになりました。実は少し前から資格によってある程度の差がつくようになってはいたのですがその比ではないくらい大きな変化が認められるようになりました。
それがクリニックの閉院とどう関わるのでしょう?