寝だめで回復は間違い?正しい睡眠を精神科医が解説
今日こそは早く寝ようと思っていても、ついついスマホをいじって夜更かしをしてしまう。
仕事を終えて帰ってから家事や子供の相手をしていたらあっという間に夜中になってしまう。
そんな人も少なくないのではないでしょうか。
日々眠い目を擦り出勤し、その分休日にまとめて寝て回復をする。
多くの人がやっているこの習慣は、「寝だめ」と呼ばれています。
寝ないよりはスッキリするものの、だるさが残ったりまたその分夜が寝られなかったり。
ベストな選択肢ではないと思いながらついつい寝だめに頼ってしまっているけど実際どうなの?最近よく聞く社会的時差ボケ(social jetlag)って一体?
そんな疑問に精神科専門医が答えていきます。
このレターでは、メンタルヘルスの話に興味がある、自分や大切な人が心の問題で悩んでいる、そんな人たちがわかりやすく正しい知識を得ていってもらえるよう、精神科専門医、公認心理師の藤野がゆるくお届けしていきます。有料会員になるとなんと80本以上の過去記事も全て読み放題。是非登録して読んでみてください。
気付かぬうちに溜まる睡眠負債
日々の睡眠が足りなくても生活はなんとかこなせます。
ただ、そのダメージは我々の体に着実に溜まっています。
この日々の不足した睡眠の蓄積を睡眠負債と呼びます。
休日は普段より2時間以上長く寝る、なんて人も少なくないと思いますが、これは睡眠負債を溜め込んでいる証拠です。
そしてその睡眠負債を休日に取り戻そうとするのがいわゆる寝だめという行為です。
しかし、睡眠負債はそう単純ではありません。
例えば、1日1時間の睡眠不足を完全に回復するには数日単位の時間がかかるとされており、週末の寝だめだけで帳消しにすることは難しいと考えられています。
そもそも適切な睡眠時間って?
昔は「8時間以上寝よう」なんて言われたものですが、近年では年齢や個人差により必要な睡眠時間は人それぞれであると言われています。
ただ、その中でもさまざまな疾患のリスクを下げたり休養感を得るために若年者では6時間以上を一つの目安とするのが一般的ですが、日本人の睡眠時間は短く、国の調査では約4割の人が6時間未満と回答しています(厚生労働省 令和5年国民健康・栄養調査)
つまり多くの人が睡眠負債を日々溜め込みながら生活しているわけです。