鼻血と目に見えぬ障害の話

障害と共に生きる精神科医が実体験を交えつつ「障害と想像力の話」をゆるっとお話ししていきます。普段私がどんなことを考えながらこのレターを書いているかというお話だったりします。
藤野智哉 2025.05.13
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「鼻血が止まらないので仕事を休みます」

何をふざけたことを言っているんだ、と思いましたか?

「たかが鼻血で」

「ティッシュでも詰めてすぐ仕事に来い」

そんな声が聞こえてきそうです。

私は先日久しぶりに鼻血が出て、この絶望を思い出しました。その日私はたまたま休みだったのですが、朝の6時に血まみれでカピカピになった枕カバーと顔、そして嫌な血の味が喉に垂れてくる感覚で目が覚めました。

そんなに鼻血が出ることがあるか?

そう思った人もいるかもしれませんが私にとっては、

そして私のような病気を抱えた人にはあるあるなのです。

正確には私と同じ薬を飲んでいる人には、でしょうか。

私は幼少期にかかった川崎病という病気の後遺症で、心臓の冠動脈という血管に冠動脈瘤というコブができています。

なんとなくまっすぐな血管より、血が渦巻いたりして詰まりやすそうじゃないですか?

そのためそれを予防しようと、血をサラサラにする薬を5歳くらいからずっと飲み続けています。

***

このレターでは、メンタルヘルスの話に興味がある、自分や大切な人が心の問題で悩んでいる、そんな人たちがわかりやすく正しい知識を得ていってもらえるよう、精神科専門医、公認心理師の藤野がゆるくお届けしていきます。是非是非登録して読んでみてください。

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