ゲームでADHDを治療?「エンデバーライド」について精神科医が解説

先月、塩野義製薬によるADHDの治療補助プログラム「ENDEAVORRIDE®(エンデバーライド)」が話題をさらいました。一体どんな治療?その効果は?精神科専門医が解説していきます。
藤野 2026.06.30
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6月、塩野義製薬が、小児期ADHDを対象としたデジタル治療補助アプリ「ENDEAVORRIDE®(エンデバーライド)」を発売したことが話題になりました。

奇しくも、ADHDの治療薬「コンサータ」の流通の問題が騒がれていたタイミングで、余計に注目した方も多かったのではないでしょうか。

エンデバーライドは、小児期における注意欠如多動症、いわゆるADHDの「治療補助」を目的として日本で初めて承認された医療機器プログラムです。

塩野義製薬は、国内第3相臨床試験の結果に基づき、2026年6月に新発売を発表しましたが、まだ導入している施設は少なく、情報がないため

「ゲームを処方?」「一体どんな内容なの?」「効果は?」なんて疑問をお持ちの方も多いでしょう。

今回はそんな疑問に精神科専門医が答えていきます。

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そもそもADHDって?

ADHD(attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)は注意欠如多動症と訳され、その名の通り多動、不注意、そしてそれに加えて衝動性が大きな特徴とされる疾患です。

忘れ物が多い、集中が続きにくい、じっとしていることが難しい、順番を待つのが苦手、思いついたことをすぐに行動に移してしまうなど、症状の出方は人によってさまざまです。

男性に多く、成人でもおよそ2.5%がADHDだというデータもあります。100人の会社なら2、3人、数千人規模の会社なら数十人はいる計算です。

「発達障害」という言葉ばかり先走り一人歩きしがちですが、厳密に言うと我々精神科医が用いる診断基準、DSM-5-TRでADHDは「神経発達症群」に属します。

神経発達症群は日常生活において様々な障害を引き起こすような発達の問題や脳内プロセスの差異が特徴で、発達期に発症する一群です。知的発達症(知的能力障害)や自閉スペクトラム症もここに含まれます。

これまでのADHD治療

「ADHDの治療」と聞くと昨今話題の、薬での治療を想像する方も多いかもしれませんが、実はADHDの治療は、いきなり薬を飲むことが推奨されているわけはありません。

基本的には、まず環境調整や心理社会的治療が行われます。

学校や家庭での困りごとを整理し、席の配置、指示の出し方、課題の分け方、生活リズム、周囲の理解などを調整していきます。

心理教育、ペアレントトレーニング、ソーシャルスキルトレーニング、認知行動療法、支持的精神療法、学校や関係機関との連携なども重要になります。

そうして、まず環境調整を含む心理社会的治療を行った上でも効果が不十分な場合に、薬物療法を重ねていくこととされてきました。

そこに今回、「第三の選択肢」として注目されているのが今回の治療補助アプリ:エンデバーライドです。

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