ステレオタイプって一体何?精神科専門医が解説
「近頃の若者は〇〇」「男なら××」
こんな言葉を理不尽に浴びせられたことはないでしょうか。
世間にはこのように特定の社会的カテゴリーや集団に属する人たちに対するある種の決めつけ、固定観念が溢れ、日々無遠慮に押し付けられています。こうしたある種の信念とも言える考え方を「ステレオタイプ」と呼びます。
ステレオタイプの考え方は時に偏見や差別にもつながるものであり、自身や周りの生きづらさに繋がる物ですがあまりにも自然に日常に入り込んでおり、自身がそうした考えに染まっていることに気づいていない人も少なくありません。
例えば、冒頭の「近頃の若者は〇〇」という言葉を読んだ時、どんな人が言っている姿を想像しましたか?多くの人は中堅以降のおじさん社員がぼやいている姿を想像したと思います。そこにはもしかすると「おじさん社員」はそういうことをブツクサ言いがちなんてステレオタイプ的考え方が影響しているかもしれません。
こんなふうに我々の日常に無意識に入り込むステレオタイプとは一体なんなのか、どうしたら防ぐことができるのか解説していきます。
このレターでは、メンタルヘルスの話に興味がある、自分や大切な人が心の問題で悩んでいる、そんな人たちがわかりやすく正しい知識を得ていってもらえるよう、精神科専門医、公認心理師の藤野がゆるくお届けしていきます。有料会員になるとなんと70本以上の過去記事も全て読み放題。是非是非登録して読んでみてください
ステレオタイプはなぜ形成される?
ステレオタイプな考え方は日常の中に溶け込んでいて、それが当たり前の環境で育ったことでそもそもそれが凝り固まった考え方だと気づいていない人も少なくありません。
そうした人たちがその考えを「当然」「常識」として踏襲してより強固なステレオタイプになっていくそんな負のスパイラルの根源はどこにあるのでしょう?
そこには実は心理的なバイアスの影響があると言われています。どういうことが見ていきましょう。
内集団バイアス
人は自分の所属するうち集団(内集団)を属していない集団(外集団)より優れていると評価し、好意的な態度や行動をとる傾向があり、これを内集団バイアスと呼びます。
日本は島国で、村社会の意識も残っている地域がまだまだあり、内と外の考え方が強い文化だと言われたりすることがあります。
そうでなくても自分の民族をあげ、他民族をそれよりも下げる傾向は少なからず見られ「日本人は礼儀正しい」と他民族をあまり知らない人がしたり顔で述べる場面に出会うこともあります。
しかし、民族のように大きな集団で括ったところで、結局個に目を向ければいろんな人がいるのは自明であるのになぜそのようなことが起こるのでしょうか?