認知症の新しい治療薬って一体どうなの?精神科専門医が解説

令和5年に承認となり世間を賑わせたアルツハイマー病の新薬。その効果や問題点などについて精神科専門医が解説していきます。
藤野 2026.01.20
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令和5年、日本で新しいアルツハイマー病の治療薬であるレカネマブが承認され大きな話題を集めました。

その翌年にはドナネマブが日本で承認され、

アルツハイマー病治療は新しいステージへというポジティブな報道とその費用対効果の悪さを嘆くネガティブな報道が入り混じりました。

その時期は多くの患者さんから詳しく尋ねられたものですが、最近では報道も落ち着き、質問されることはめっきり減りました。

今までの薬とは何が違うの?どんな効果があるの?なぜネガティブな報道が出るの?そんな疑問について認知症疾患センターの副院長を務める医師が解説していきます。

それぞれデータが微妙に異なるので今回の記事ではレカネマブについて解説していきます。

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そもそもアルツハイマー病って?

認知症と聞いてみなさんが1番に思いつくのはきっとアルツハイマー病なのではないでしょうか?

それもそのはず、細かいデータは研究や診断基準によって異なるものの、認知症の中でアルツハイマー病に起因するものの割合は50%を超えるとされています。

細かいことまで知る必要はないですが、アルツハイマー病では脳にアミロイドやタウなどと呼ばれる物質が溜まることで各部位の神経細胞機能を障害し認知症の症状をきたすようになります。

いつから治療をしたらいいの?

これまでの治療薬は認知症と診断されてから開始されるものでした。

しかし昨今、認知症としての症状が顕在化するはるか前、多くの場合10年以上前から脳内へのアミロイドなどの蓄積は始まっているということがわかってきました。

もちろん薬以外にも発症前から生活習慣病の予防や聴力低下の改善、運動や適切な睡眠など、やるべきことはありますが、こと薬においては認知症の前段階などでの使用は推奨されておらず、発症前に薬物療法で介入することは困難で手をこまねくしかない状況でした。

新しい薬はここが違う

そんな中、発売されたのが最初に述べた2種類の薬です。

これらはアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制という効果を謳っており、認知症以前の軽度認知障害においても使用することが可能となりました。

また、その作用機序においてもこれまでの薬とは一線を画し、脳に溜まったアミロイドに作用し、アミロイド自体を減らすことにつながるというものでした。

これだけ聞くととても素晴らしい薬なのではないかと思った人もいるかもしれませんが、この薬が手放しで歓迎されていないのにもそれなりの理由があります。

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