燃え尽き症候群って一体何?精神科専門医が解説
コロナ禍において医療従事者の燃え尽きや離職が大きな問題になったことは記憶に新しいですが、昨今「燃え尽きた」「バーンアウト」そんな言葉を若い世代からも聞く機会が増えました。
「病気なのかな」「環境が悪いのでは」と心配する人がいる一方で「甘えでしょ?」「その人自身の問題でしょ?」と様々な疑問をぶつけられることも少なくありません。
今回は、精神科医の立場から、エビデンスに基づいてバーンアウトを整理してみたいと思います。
このレターでは、メンタルヘルスの話に興味がある、自分や大切な人が心の問題で悩んでいる、そんな人たちがわかりやすく正しい知識を得ていってもらえるよう、精神科専門医、公認心理師の藤野がゆるくお届けしていきます。有料会員になるとなんと70本以上の過去記事も全て読み放題。是非是非登録して読んでみてください
バーンアウトは「病名」ではない
まず大前提として、燃え尽き症候群、バーンアウトは病名ではありません。
ただ、これに関してはみなさんの方がこれまでも医学とは別の文脈で、それこそ日常会話の中で「燃え尽きた」という言葉を使ってきたのではないかと思います。
むしろなぜ、今精神科医である私が精神科の枠組みからこの言葉を説明しようと試みているかというと、世界保健機関(who)の国際疾病分類の最新版ICD11において、バーンアウトが定義されたことに端を発します。
このICD-11では、バーンアウトは「疾患」ではなく、「健康状態に影響を与える要因」の章に記載されています。
バーンアウトって一体何??
ICD-11においてバーンアウトは
適切に対処されなかった慢性的な職場ストレスの結果として生じる症候群であり、
①エネルギーの枯渇・消耗感
②仕事からの心理的距離の増大、あるいは冷笑的・否定的感情
③職務上の有効感(professional efficacy)の低下
の三つの側面を特徴とするとされています。
また、ここで重要なのはICDにおいてはバーンアウトは仕事の文脈に限定して用いるべき概念である、とされていることです。つまり、部活を頑張りすぎて燃え尽きた、大学生活で勉強と就活を頑張りすぎて燃え尽きた、などはICD的な定義で言えば燃え尽き症候群には含まれていないわけです。
この記事は無料で続きを読めます
- 研究で使われてきた「三つの症状」
- どんな仕事がバーンアウトしやすいのか
- 燃え尽きないために大切なこと
- まとめ
すでに登録された方はこちら