パニック障害ってどんな病気?精神科専門医が解説
昨今、芸能人やアスリートなどの著名人がパニック障害について公表することが増えました。
「パニくる」なんて言葉は日常でも用いられることが増え、想定外の事態にパニックになったことがある、なんて人もいるでしょう。
では、パニックになったことがある人はみんなパニック障害なのでしょうか?
その境界はどこにあり、病気とそうでないパニックの間には一体どんな差があるのでしょう?
パニック発作は時に死を意識する人もいるほどのものですし、パニック障害は世界での生涯有病率が1.7%とされており決して珍しい病気ではありませんが、その症状についての認知度はまだまだ高くありません。
今回は、パニック障害の症状から治療までを精神科専門医が詳しく解説します。
なお、パニック障害は最新の米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル:DSM-5-TR(以下DSM-5-TR)では「パニック症」と呼ばれています。ここではその基準に合わせ、以下「パニック症」と表現していこうと思います。
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1.パニック症って?
パニック症の中核となるのは、思いがけない時に繰り返し突然起こる「パニック発作」です。
重要なのは、この発作が「予期しないタイミング」で起こるということです。特定の恐怖状況に直面した時だけでなく、リラックスしている時や睡眠中など、脈絡なく突然激しい恐怖や不快感に襲われるのが特徴で、つまり例えば、高所恐怖のように高いところに行った時だけパニック発作が生じるものはパニック症とは診断されないわけです。
「いかにもパニック発作になりそうな状況で毎回なる」とか「特定の状況下で一度だけなった」というのはそれだけでパニック症とは診断されないわけです。
では、そもそもパニック発作とはなんでしょうか?