障害者手帳のメリットデメリット 精神科専門医が解説
サポート会員になってくださっている皆様に何か還元できればと開始してみたQ&A企画の解答編、第3弾。
今回は「障害者手帳」についてです。
障害者手帳をとると結婚で不利になる?
障害者手帳をとると保険に入れなくなる?
障害者手帳をとると近所の人にバレる?
精神科医として外来をしているとこんな質問をされることが少なくありません。
手帳を取得することでどんなメリットがあり、どんなデメリットがあるのか。
そして取得の際に気をつけたいこととは?
そんな話を精神科専門医が解説していきます。
今回寄せられた質問はこちらでした。
質問
鬱などで障害者手帳の申請が可能な場合、どのような場合だと申請したほうがよくて、どのような場合は申請しなくていいのでしょうか。基本的に自分が希望するかどうかかと思いますが、申請するかしないかどう決めればいいのかよくわかりません。
では早速みていきましょう。
このレターでは、メンタルヘルスの話に興味がある、自分や大切な人が心の問題で悩んでいる、そんな人たちがわかりやすく正しい知識を得ていってもらえるよう、精神科専門医、公認心理師の藤野がゆるくお届けしていきます。是非是非登録して読んでみてください。有料会員になるとこの記事を含め、なんと50本以上の過去記事も全て読み放題になりますのでぜひご検討ください。
診断を受けることと手帳を取ることは別の問題
まず最初に確認しておきたいのは、診断を受けることと手帳を取ることは全く別の問題だという点です。
特にお子さんの心理検査などの前、「検査をして知的障害がわかったら手帳を取らなければならないと思うのですが、そうすると何か害が出ますか?出るなら受けたくないです。」と診断のない段階から心配されている方も少なくなりません。
しかし「うつ病」や「発達障害」など、精神科の疾患だと診断されても、必ずしも手帳を申請する必要はありません。診断は治療やその後の生活でどう対処していくかを考えるのために行うものですが、手帳はあくまで社会的な支援を受けるためのツールであると考えた方が良いかもしれません。
この2つを混同すると「診断を受けたら自動的に手帳も取らなければならない」と思い込んでしまい、診断以前に不必要な不安や抵抗が生まれ、正しい治療につながることも難しくなってしまうので最初に理解しておいて欲しい点です。
では診断を受け、手帳を取得するかどうかはどう判断していったらいいのでしょう?
メリットデメリットを見ていきましょう。