なぜ自分ばかりしんどいことが起こる?世界の見え方、認知の話を精神科医が丸わかり解説。

嫌なこと、しんどいことが自分にばかり降りかかってくる、そう訴える人が少なくありません。「自分ばかりが不幸」の背景には認知が関係しているかもしれない、そんな話を精神科専門医が解説します。
藤野智哉 2024.12.17
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世の中はしんどいことばかり。自分にだけたくさん辛いことが起こる。

そんなふうに感じている人、多いのではないでしょうか?

認知療法を提唱したアーロンベックはうつ病の人が陥りやすい認知として、

(1)自分自身についての否定的評価

(2)環境について、世の中を敵対する、または過酷な要求をするものととらえる傾向

(3)将来について、苦痛と失敗という見通し

の3つを仮定しました。わかりやすく言えば

(1)自分はダメだ、何もできない

(2)世の中は自分に厳しくて辛いものだ

(3)どうせ将来も良いことがない、先は真っ暗だ

こんな感じの考え方なわけですが、確かにこんな考え方をしていたら気分が沈んでいきそうですよね。もちろんうつ病は脳の病気ですから、単なる考え方や気持ちの問題だけではなく遺伝や様々な要素を持った人が発症するわけですが、こういった考え方や捉え方は当然、同じストレスを受けた時にどう処理できるかに大きく関わります。

同じ出来事に遭遇してもしんどくなる人とならない人がいて、同じ世界であっても自分の捉え方次第で見え方は変えられる。今回は、我々が世の中をどう認識しているのか、認知というものについて解説していきます。以前認知の歪みの話を書きましたが、そもそも認知ってなんぞや、という人も多かったので今回は入門編です。

***

このレターでは、メンタルヘルスの話に興味がある、自分や大切な人が心の問題で悩んでいる、そんな人たちがわかりやすく正しい知識を得ていってもらえるよう、精神科専門医、公認心理師の藤野がゆるくお届けしていきます。寒くなってきて腰が痛い中ヒーヒー言いながら必死に書いています。是非是非登録して読んでみてください。

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