お金で幸せは買えるのか──80年以上続いた研究が教えてくれた「本当の幸福」
「お金があれば幸せになれる。」
きっと誰もが一度はそう考えたことがあるでしょう。
宝くじが当たれば。
年収が1000万円を超えれば。
好きな車に乗れて、広い家に住めれば。
その時、自分はきっと今より幸せになっているはずだ、と。
では実際、お金は幸せを買えるのでしょうか。
精神科医として日々多くの患者さんと接していると、この問いは決して哲学的なものではなく、とても現実的なものだと感じます。
高収入でも苦しんでいる人はいます。
一方で、裕福ではなくても、とても穏やかに暮らしている人もいます。
この違いはどこから生まれるのでしょうか。
実はこの問いに、80年以上かけて答えようとした研究があります。
このレターでは、メンタルヘルスの話に興味がある、自分や大切な人が心の問題で悩んでいる、そんな人たちがわかりやすく正しい知識を得ていってもらえるよう、精神科専門医、公認心理師の藤野がゆるくお届けしていきます。有料会員になるとなんと100本以上の過去記事も全て読み放題。ぜひ登録して読んでみてください。
幸せを80年以上追い続けた研究
1938年に始まったHarvard Study of Adult Development(ハーバード成人発達研究)は、世界で最も長く続いている幸福研究の一つです。
この研究では数百人を何十年にもわたり追跡し、仕事、収入、健康、人間関係などを調べ続け、幸せな人生を送る人には何が共通しているのか、その答えを探し続けたのです。
結論から言ってしまえば、一番重要な鍵となったのは良い人間関係でした。
「嫌われる勇気」で有名なアドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と語ったとされており、(厳密にはWe have no problems in our lives but social problems.と語っており、社会的問題は人間関係以外にも含まれますが)我々は日々、人間関係に悩まされています。
実際に私の精神科の外来を訪れる患者さんでも、人間関係の悩みを抱えていない人の方が少ないくらいではないかと感じます。
これは占い師が用いるコールドリーディング(事前情報なく、相手の感情や悩みを言い当てたように思わせる手法)が、人の悩みは人間関係、仕事、お金、健康のどれかだからそこを決め打ちしていけば占いは当たる、としているのも同様です。
そんな我々を日々悩ませる人間関係が、その一方で幸せに導いてくれる。
一体どういうことなのか、順に見ていきましょう。
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- 研究の結果は?
- 幸せは「慣れる」
- いつも失ってから気付く
- 人間関係が全てを救ってくれるか
- 自分にとっての幸せ
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